上智大学合格者を教えた英語講師直伝のTEAP対策
投稿日:
2024年5月5日
最終更新日:
2024年5月4日
現在TEAP346点保持者ですが、正直に言います。
TEAPで300点越えは英検準1級合格よりも難しいです。
が、どこで点数を取っていくのかの戦略と対策次第では達成可能です。
あまりネット上でもTEAP対策のお話は少ないと思うので、この記事を参考に高得点を取ってもらえれば嬉しいです!
- TEAPスコア別必須英語力と難易度
- 各パートの攻略法と対策
- TEAP300点越えのための戦略と戦術
※本記事はTEAP CBTについてではありませんので、ご注意ください。
TEAPの概要
TEAP = Test of English for Academic Purposes
TEAPは上智大学と公益財団法人 日本英語検定協会が共同で開発したテストです。
出題形式
技能 | 形式 | 問題数 | 試験時間 |
---|---|---|---|
Reading | Part1 語彙・語法 | 20問 | 70分 |
Part2A 図表の読み取り | 5問 | ||
Part2B 掲示物・メールなどの読み取り | 5問 | ||
Part2C 短文内容一致 | 10問 | ||
Part3A 長文語句空所補充 | 8問 | ||
Part3B 長文内容一致(図表あり) | 12問 | ||
Listening | Part1A 会話文の内容一致 | 10問 | 約50分 |
Part1B 短い説明の内容一致 | 10問 | ||
Part1C 説明文と図表の一致 | 5問 | ||
Part2A 長い説明の内容一致 | 9問 | ||
Part2B 長い説明の内容一致 | 16問 | ||
Writing | 英文要約 | 1題 | 70分 |
意見論述 | 1題 | ||
Speaking | Part1 受験者に関する質問 | 数問 | 約10分 |
Part2 試験官へのインタビュー | 1問 | ||
Part3 スピーチ | 1問 | ||
Part4 意見論述 | 数問 |
年3回実施
試験日に4技能全てのテストが実施される。リーディング・リスニング実施後にお昼休憩があり、その後ライティングとスピーキングの試験が実施される。
難易度
難易度 | 英検準2級〜準1級程度 |
---|---|
CEFR | A1〜C1 |
技能別スコア | 20~100 |
総合スコア | 80~400 |
CEFR = Common European Framework of Reference for Languages
「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれ、外国語の4技能の習熟度および運用能力の指標(A1,
A2, B1, B2, C1, C2)です。
語彙レベルは英検準1級に比べれば高くはないのですが、リーディングは圧倒的な分量を読解させられるので、精度の高い情報処理能力とかなり速い読解スピードが必須です。
リスニングでは、実際に留学経験や海外経験がないと、イメージの湧きにくい会話が多く存在します。
ライティングは比較的得点しやすいです。何を書かないといけないのかと、テンプレが決まれば得点源になります。
スピーキングの難易度も、しっかりと対策すれば8割を目指せます。
総合的には、リーディングとリスニングは根本的な英語運用能力が高くないと苦戦を強いられるでしょう。ライティングとスピーキングは対策しだいでは高得点が望めます。
TEAPを受けるべき人
- 上智大学第一志望で英語に自信がある人
- 海外留学経験者で上智大学第一志望の人
- 海外留学準備中の人
正直に言うと、上記以外の人が大学受験用で検討している場合はTEAPはコスパ最悪です。
今までの指導経験上、上智大学を目指しているとしても、英語が得意(英検準1級は受ければ受かるレベルか、それ以上)でないと学部学科試験・共通テスト併用・共通テスト利用が合格可能性は高いように思います。
3つ目の海外留学準備中の人というのは、すでに大学生や社会人で、これから海外留学に行こうと思っている人です。なぜかというと、TEAP自体が海外で通用する言語運用能力の養成を視野に入れて作られた試験だからです。なので、海外大学での講義や生活を想定した問題が多数存在します。
留学準備にはもってこいの試験だとは思います。
『それでも、私はTEAPで点数を絶対取るんだ!』というやる気に満ち溢れている方にだけ、スコアの取り方をお教えします。
効果的な学習法
上智大学に合格したい場合は、最低でも280か300は必要だと言われています。
では、どうやってそのスコアを取るのか?
それは、戦略を練り、戦術を磨くことです。
TEAP攻略のための戦略
- 前提となる英語力は『共通テストR&L 8.5割以上』
- 共通テスト(筆記)が70分で終わる速読力と8.5割取れるだけの正確性の養成
- リスニングはPart1で点数を稼ぐ
- ライティングはテンプレートを固めて、減点されないようにミスなく書く
- スピーキングのPart2は質問を事前に決めておく
基礎的な英語力の養成とどこでスコアを稼ぐのかを明確にせずにTEAPに挑むのは無謀です。まずは共通テスト8.5割レベルまで英語運用能力を上げる必要があります。これはリーディング・リスニング両方の話です。加えて、リーディングは80分ではなく、70分で終わるレベルまで読解スピードをあげてください。そのレベルの情報処理能力と速読力を求めてくるのが、TEAPなのです。
これまでの指導経験上、そのレベルに到達して300超えるか、超えないかって感じでした。
英検準1級の中でも、多くの受験者にとって鬼門となるのはリスニングPart2です。Part2Aは2分弱の会話文を聞き、3問答えるという形式です。Part2Bは1分半程度の英文を聞き、4問答えるという形式です。
両方とも1問1答形式ではなく、会話の流れや詳細を聞き、覚えておく能力が必要になります。先読みの時間もほとんどないので、集中して聞かなければなりません。英文の内容も実際の学生生活や講義を想定したもので、イメージが湧きにくいものも多数含まれます。
なのでPart1A, B, Cで得点を稼ぐわけです。Part1は比較的易しいため、英検2級のリスニングで9割取れる実力があれば、同様に9割取れるでしょう。
次に、ライティングです。基本的には減点方式ですので、ミスなく書くことが大切です。要約問題もありますが、問題文の構成を理解しておけば、テンプレを作成して、それに沿って抜き出していくだけなので、そこまで構える必要はありません。時間も十分にあるので、英検のように焦ることもないです。ここで点数をどこまで伸ばせるかがTEAP300超えのポイントです。
最後に、スピーキングです。Part2がTEAP特有の問題形式で、受験者が試験官にインタビューするというものです。事前にどの職業でも使える質問を作成しておき、相槌を打ちつつ、それをうまく聞いていくことで高得点を目指せます。実際にこの作戦でスピーキングの点数を伸ばすことができました。Part1,
2, 3も対策は必須ですが、採点は比較的甘いので、ライティングと同様にどこまで点数を伸ばせるのかがポイントになります。
学習計画
- TEAP公式サイトの見本問題を解いてみる
- 語彙力強化+リスニング力強化
- 市販の教材で読解力を底上げ
- 共通テスト(筆記)が70分で8.5割取れるか確認
- TEAP用教材で演習
- TEAP攻略問題集で総仕上げ
敵を知り己を知れば百戦危うからず
まずは一度、TEAP公式サイトの見本問題を解いてみて、自分の現状と目標スコアとのギャップを確認しておきましょう。
そして共通テストで8.5割が安定して取れるところまで、語彙力、読解能力、リスニング力を鍛えましょう。
まずは基礎となる語彙力とリスニング力の強化から取り組んでください。
単語帳は『TEAP英単語ターゲット』でもいいですし、大学受験用の『ターゲット1900』や『システム英単語』でも問題ありません。英検準1級Part1レベルの単語はほとんど見かけないので、基礎的な語彙力養成を心がけましょう。
リスニングが約50分と長丁場となるため、集中力が切れることなく最後まで聞けるだけのリスニング力が必要です。日頃から英語の音声に触れるようにしましょう。
リスニング力向上はこちらの記事も参考にしてください。
【リスニング力向上不可避】学校では教えてくれない英語のリズムと音の変化
旺文社が提供しいてる『英語の友』というアプリで、『文で覚える単熟語』の音声を毎日1題聞いて、短く要約する練習をしておくと、リスニング能力と英語を覚えておく力が身につくので、オススメです。
TEAP専用の教材は英検やTOEICに比べるとほとんどないと言っても良いと思います。そのため、大学受験用の市販の教材での演習でTEAP対策を行いましょう。
とにかく、自分のレベルに合った教材で量をこなすことが大事です。
自分のレベルに合った教材というのは、
長文であれば、1題に分からない単語が5個くらい
リスニングであれば、「誰がどこで何の話をしているのか」という大枠は1回で聞き取れる
このくらいをイメージしてもらえればと思います。
次に「共通テスト(筆記)」が70分かつ8.5割を達成できるかを確認します。なぜ「共通テスト」なのかというと、TEAPと同じくらい時間的にシビアだからです。
共通テスト(筆記)が70分で8.5割取れるのであれば、TEAPの問題形式に慣れさえすれば、時間が足りないということはほとんどないでしょう。裏を返せば、そのレベルの速読力がないと、おそらくTEAPのリーディングは時間内に終わりません。
次に『TEAP全パート徹底トレーニング』でTEAP特有問題の解き方やコツを身につけていきましょう。なぜ、これが後半なのかというと、英語の基礎が固まっていない小手先のテクニックで何とかなるほどTEAPは甘くないということです。
基礎あってこそのテクニックなのです。
最後にTEAP実践問題集で最終調整です。最低2周は解きましょう。
計画としては以上です。
あなたがどれだけ英語学習に時間を割けるかにもよりますが、単語暗記やリスニング力向上、問題演習と過去問演習など、これら全てをこなすとなると最低でも3ヶ月前から準備しなければ間に合わないでしょう。
計画を立てる際に大事なことは逆算です。
目標としているTEAPのスコアまで到達するには、自分に何が足りていないのか、どのくらい英語学習に時間を割けるのかから現実的な計画を練りましょう。
試験日の1週間までに全ての演習を終えるように予定を組むと、途中でイレギュラーなことが発生しても予定通り進めることができます!
リーディング対策
Part1(語彙・語法)
- 解答目安時間:8分
- 目標正答数:16/20
- 解答に必要な力:語彙知識
- 解き方:問題文を読み、その文脈、文意に合う英単語を選ぶ
Part1が解けるかどうかは語彙力次第です。
比較的容易な語や文法を使用しており、設問自体は読みやすいので、それほど構える必要はありません。
そして、選択肢に並んでいる単語も英検2級程度の難易度です。
解き方
英文を読み、それにあった英単語を選択肢中から探す。
対策
出題されている語彙は大学受験者なら知っていて当然というレベルで、英検準1級のPart1のような語彙はほとんど出ません。なので、「ターゲット1900」や「システム英単語」など一般的な大学受験用英単語帳で語彙力を強化しましょう。
それと同時に20問を8分で回答する瞬発力も必要になってきます。英検2級の語彙問題などで演習し、スピードと正確性を上げていきましょう。
Part2A(図表の読み取り)
- 解答目安時間:6分
- 目標正答数:4/5
- 解答に必要な力:文脈把握力と語彙力(慣用表現)
- 解き方:全文を読み空所前後の文脈や語句から、流れに合うものを選ぶ
TEAP特有問題です。
英語力ではなく、情報処理能力が問われます。
解き方
少し特殊な問題ですが、以下のステップで効率よく解いていきましょう。
- グラフのタイトルを確認
- 縦軸と横軸のタイトルと単位を確認
- 設問を確認
- 選択肢を1つずつグラフと照らし合わせ、解答を選ぶ
1問1分強くらいの時間しか掛けられないので、グラフとの照らし合わせで解答を見つけたら、すぐに次に移っていきましょう。
対策
共通テストの第4問などはグラフを含む英語長文問題になっているので、そこでグラフには慣れていきましょう。
もう一つのおすすめはILETS Writing
TaskAの演習です。
IELTS Writing
TaskAはグラフの描写です。そのグラフが何を言っているのかを記し、特徴となる部分を2箇所ほど英語で説明するという試験です。
グラフを読む練習と、グラフの特徴を掴む練習ができるので、是非取り入れてみてください。
TEAPライティングでもグラフの説明があるので、TEAPライティング対策にもなります。
Part2B(掲示物・メールなどの読み取り)
- 解答目安時間:5分
- 目標正答数:4/5
- 解答に必要な力:文脈把握力と語彙力(慣用表現)
- 解き方:全文を読み空所前後の文脈や語句から、流れに合うものを選ぶ
TOEICのPart7に似ている問題で、メールや掲示板を読み1問1答形式でテンポよく解答していきます。
解き方
1問1分で解いてほしいので、以下のステップで解きましょう。
- 設問を確認する
- 本文(メールや掲示板)を読み、設問への解答箇所を探し出す
- 選択肢を読み、解答を選び出す
設問→本文→選択肢という順番で一読で解いていきます。
本文→設問→選択肢という順番でも可です。
対策
英語で読んだ情報を短期間でも良いので、保持しておく力が必須になります。
この力はどれだけ英文に触れてきているのかや、英語使用環境によります。
毎日英語で触れることや、興味のある分野や話題を英語で調べてみるなど、日常生活に英語を取り込むようにしましょう!
それは大変そうだな、長続きしないなという人は問題演習で英語に触れる量を確保します。
問題集としてはTOEICのPart7が収録されているものが良いでしょう。
Part2C(短文内容一致)
- 解答目安時間:14分
- 目標正答数:7/10
- 解答に必要な力:文脈把握力と語彙力(慣用表現)
- 解き方:全文を読み空所前後の文脈や語句から、流れに合うものを選ぶ
TEAP リーディングの中で一番難しいのが、このPart2Cです。
回答根拠を瞬時に見つけるのが難しく、予測させてくることもあります。
解き方
設問→本文→選択肢の流れが一番早く解けます。
設問で聞かれている内容を本文中から探し出す解き方ですが、結構慣れが必要になります。
選択肢を後で確認するため、設問への解答を本文を読み、自分の中で構成する必要があります。現代文で言えば、「筆者の考えを20字以内で述べよ」みたいな問題を解いているようなものです。
難しいと感じる場合は、設問→選択肢→本文という流れで選択肢を削っていく方法でも良いと思いますが、おそらく時間的に厳しくなってくると思います。
対策
読解スピードと読解能力の両方を高いレベルで求められます。
内容も学術的なものが増えてくるので、難しく感じるかもしれません。
おすすめの教材としては「速読英単語(必修編)」です。
速単は短めの英語長文で単語を覚えていく単語帳ですが、各文章に問題が1つ用意されているので、2分以内に答えを出す練習をしましょう。
Part3A(長文語句空所補充)
- 解答目安時間:9分
- 目標正答数:6/8
- 解答に必要な力:文脈把握力と語彙力(慣用表現)
- 解き方:全文を読み空所前後の文脈や語句から、流れに合うものを選ぶ
約250語の長文が2つ出題されます。
基本的には全文読みましょう。空所前後だけ読めば解ける問題も多少あるため、慣れてくれば全部読む必要はありませんが、あまりオススメはできません。飛ばして読むことで文脈が取れず、逆に時間がかかることが多いです。段落・文全体の意味把握を意識しましょう。
解き方
基本的には全文読みます。
空所前後で話がどう展開しているのかを意識しましょう。空所前は肯定的な文章だったが、空所後は否定的な文章という場合は”however”や”in
contrast”などが入ると予想されます。
対策
文章自体はそこまで難しくはないので、得点源になるはずです。レベル的には英検2級のPart2とほぼ同じなので、英検2級の過去問や問題集で対策するのがおすすめです。
文章量をこなしたい場合は「2級文で覚える単熟語(旺文社)」がトピックの広さ、文章の量・難易度からみて、おすすめの教材です。スラスラ読めるくらいまで読解力は高めておきましょう。
Part3B(長文内容一致(図表あり))
- 解答目安時間:28分
- 目標正答数:8/12
- 解答に必要な力:英文読解能力
- 解き方:パラグラフごとに、本文を読み設問に答える(消去法)
※基本的には1パラグラフにつき1問
約550語の長文が2つ出題されます。
2つ目の長文には図表が含まれているので注意してください。共通テストの第4問と似てますね。
解き方
長文読解手順は2つ
読解手順①:タイトル→設問→選択肢→本文
設問や選択肢のキーワードに線を引き、本文を読む際にキーワードを意識し、該当箇所を発見しだい、選択肢と見比べ消去法によって回答していくスタイルです。正答率を高い水準で維持できるので、長文読解に慣れるまではこちらの解答法をオススメします。
読解手順②:タイトル→設問→本文→選択肢
選択肢よりも先に本文を読む際は際は、設問の回答を本文中から探すことを意識して全文を読んでいきます。こちらは、読解力と英文を記憶しておく能力がないと難しいため、上級者向きです。しかし、選択肢と本文を見比べる回数が減るので、正答率は問題ないが時間が足りない人はこちらで練習してみましょう。
加えて、解答する際に注意してほしいことが4つあります
- 本文は読み飛ばさない
- パラグラフ1つにつき1問設定されている
- 選択肢を適当に読まない
- 消去法の徹底
特に最後の2つが重要です。
本文を読むのに必死になりすぎて、選択肢を読んでいない人が多くいます。あなたはどうでしょう?意外と忘れがちですが、消去法を徹底するためにも選択肢は丁寧に読みましょう!
対策
「英文を読める」ということが前提で「問題が解ける」ので、長文が問題なく読めるようになってから、解く練習をすると良いでしょう。
リーディングに必須の文法事項10選【英文読解力向上】
解く練習とは、問題文と選択肢へのキーワードの線引き、本文と選択肢を見比べること、または回答根拠を明確にすることです。
線を引くことで、記憶しておきやすくなる+問題文や選択肢の内容を忘れてしまっても、どこを見るべきか迷わないので、時間短縮になります。どの単語に線を引くのかは演習の中で身につけていきましょう。
英語長文内容一致はこうやって解くべし!【解答時間を短縮しつつ正答率を上げる方法】
リスニング対策
Part1A(会話文の内容一致)
- 目標正答数:8/10
- 解答に必要な力:リスニング力と速読力
- 解き方:選択肢を先に読み、文脈や設問を予想しておく
設問が流れたら、選択肢の中から解答を選び出す
基本的に留学生活関連の会話が展開されます。
会話量としては、3〜5往復くらいで、問題により異なります。結構長く会話が続くので注意してください。
その後、設問が読まれます。
解き方
用紙には選択肢しか書かれていませんが、設問の予想は可能です。選択肢に動詞が並んでいたら、おそらく次に何をするでしょう?や何をしていたでしょう?という設問が来ます。このように、先読みがどこまでできるかがポイントになってきます。リスニング試験の初めにPart1Aに関する説明があるので、そのときにできるだけ先読みをして、キーワードを押さえるようにしましょう(下線を引いたり、印をつけましょう)。
リスニングが始まってからは、どんどん進んでいくので、聞こえなかった問題や悩んだ問題に引きずられて連続でミスしないように、1問1問切り替えて集中しましょう。
というのが、普段英検などでよく使うテクニックなのですが、実際は先読みなしで解答していくのが理想的です。
また、リスニング中は目を閉じ、選択肢を視界に入れないようにしましょう。視界に選択肢を入れてしまうと無意識的に読んでしまうため、読みながら聞くというマルチタスクをすることになります。脳のリソースを全てリスニングに割けるように視界から入る情報は極力シャットダウンし、聞くことに集中しましょう。
対策
練習段階では最低でも2回は聞くようにしましょう。
1回目は「誰がどこで何の話をしているのか」を意識して大枠を掴むようにします。
2回目は詳細を聞くことを意識しましょう。
すぐにスクリプトを見るのではなく、繰り返し同じ音源を聞くようにしましょう。どうしても聞き取れなくなった場合または音読の練習時はスクリプトを確認しましょう。リスニング中は目を瞑って音声に集中することをオススメします。
Part1B(短い説明の内容一致)
- 目標正答数:8/10
- 解答に必要な力:リスニング力と速読力
- 解き方:話のポイントや転換点を意識し、内容を記憶しておく
設問が流れたら、選択肢の中から解答を選び出す
こちらもPart1A同様、選択肢のみが問題用紙に記載されています。
講義形式で1人の人が話すタイプの問題で、内容は授業課題や学内プログラムの説明、その他講義で扱われそうな学術的なものなど多岐に渡ります。
解き方
こちらもPart1Bの説明の時間に先読みをしていきましょう。先読みではPart1A同様、キーワードを押さえていきましょう(下線を引いたり、印をつけましょう)。
が、こちらも先読みなしで解答できるのが理想です。
対策
練習あるのみです。
パッと見は解きやすそうな問題形式ですが、実際は結構難しいです。
基礎的なリスニング能力がないと内容が取れませんし、速読力がないと音源に置いていかれます。
Part1C(説明文と図表の一致)
- 目標正答数:5/5
- 解答に必要な力:リスニング力と違いを発見する能力
- 解き方:文脈、文意から空所に入る日本語を予測し、その意味に合う英単語を選ぶ
Part1Bと同程度の量の英文が読まれ、その内容と合致するグラフを選ぶという問題です。
Part1CはTEAPリスニングの中で比較的優しい問題です。
ここで得点を稼げるようにしましょう。
解き方
以下のステップで解いていきましょう!
- それぞれのグラフの共通点と相違点を探す
- 共通点の多いグラフを2つ見つける
- その2つのグラフの相違点を探す
- その相違点について、どちらが正しいかを聞く
全てを集中して聞く必要はありません。
共通点の多いグラフのどちらかが正解になることが多いので、ポイントを絞ってリスニングしていきましょう。
対策
グラフを見て、共通点と相違点を瞬時に見つける力をつけていきましょう。
これはTEAPリーディングPart2Aで訓練してもいいですし、IELTS
Writing TaskAで養っても良いです。
Part2A(長い説明の内容一致)
- 目標正答数:7/9
- 解答に必要な力:リスニング力と速読力+記憶力
- 解き方:設問を先読みし、該当箇所を聞き取り覚えておく
8往復くらいのやたらと長い2人の会話や3人での会話問題です(一応シチュエーションも書いてくれています)。
1つの会話に問題が3つ設定されており、設問・選択肢共に問題用紙に記載されています。
A〜Cの3つの会話で、内容はやはり留学生活関連です。
解き方
シチュエーションを軽く確認後、設問を全て読み、何を聞かれているのかのキーワードに線を引いておきましょう。
意識したいポイントは以下の通りです。
- 疑問詞
- 主語
- 動詞
設問で何を聞かれているのか抑えられたら、時間が許す限り選択肢に目を通しておきましょう。
あとは、会話を聞いて、回答根拠を覚えておく、または軽くメモに残しておくだけです。
問題ごとに10秒間の解答時間があるので、その間に解答を選びましょう。
対策
根本的なリスニング能力を強化しつつ、問題に慣れることが大事です。
今までの1会話1問形式ではないく、1会話に3問あるので、集中力が持つかどうかも肝です。
Part2B(長い説明の内容一致)
- 目標正答数:12/16
- 解答に必要な力:リスニング力と速読力+記憶力
- 解き方:設問を先読みし、該当箇所を聞き取り覚えておく
1分半程度の講義や説明を聞き、解答する問題です(一応シチュエーションも書いてくれています)。
1つの問題に4つ設問が設定されており、設問・選択肢共に問題用紙に記載されています。
D〜Gの4つを聴き、合計16問解答する問題です。
講義やイベントの説明、ニュースなど留学生活に関わる内容から出題されます。
解き方
Part2A同様の解き方です。
シチュエーションを軽く確認後、設問を全て読み、何を聞かれているのかのキーワードに線を引いておきましょう。
意識したいポイントは「疑問詞」「主語」「動詞」です。
あとは内容を聞いて、解答根拠を覚えておくか、メモしておきます。
問題ごとに10秒間の解答時間があるので、その間に解答を選びます。
対策
こちらもPart2A同様、根本的なリスニング能力を強化しつつ、問題に慣れることが大事です。
毎日リスニングの問題演習(英検やIELTSなどで可)に取り組むようにしましょう。
【リスニング力向上不可避】学校では教えてくれない英語のリズムと音の変化
ライティング対策
要約
- 解答目安時間:30分
- 解答形式:250語程度の長文を70語程度で要約する
- 解答に必要な力:長文読解力と語彙力(類義語)
- 解き方:テーマ、賛成意見、反対意見の主用部分を読み取る
テンプレートに沿って書き進める
要約問題では英語長文を読み、主題や主張を素早く把握する長文読解能力とそれらの単語を言い換えたり、文構造を変えたりするライティング力が必要です。
解き方
まずは書かなければならないことがらの整理から始めます。
本文のパラグラフ構成は以下の通りです。
- 背景・テーマ・主張
- 賛成意見
- 反対意見
それぞれのパラグラフで何を一番伝えたいのかを把握しましょう。特に主語、動詞、目的語+手段or理由を意識すれば、おのずと何が言いたいのか把握できるはずです。
また「意見論述」では具体例などを挙げなければなりませんが、要約はその逆で、書かれている文章を抽象化します。例えば “He eats apple,
orange, and banana.”とあれば “He eats some
fruits.”とします。
加えて、本文を抜き出しただけでは要約とは言えないので、抽象化をしつつ、単語の言い換え、文章構造の書き換えを行いましょう。
対策
まず、主題や主張を読み取るための長文読解力は必須です。そこに加えて、単語を言い換えるための語彙力と文章構造を変えるための文法力が必要です。
言い換え表現は単語学習のときに常に意識しましょう。または「(英単語)
synonym」とGoogleで調べると類義語を確認できるので、オススメです。
文法に関しては特に、関係詞、分詞構文、形式主語の使い勝手が良いので確実に使い方まで理解しておきましょう。
意見論述
- 解答目安時間:40分
- 解答形式:2つのグラフと2つの文をまとめつつ、それに対して自分の意見を200語程度で書く
- 解答に必要な力:長文読解力と語彙力(類義語)
- 解き方:グラフが何を表しているのかを説明し、各パッセージのメインアイデアをまとめた後、自分の意見を決め理由などをテンプレートに沿って書き進める
グラフとパッセージが2つずつ与えられ、それぞれのメインアイデアをまとめます。
その後、どちらのパッセージに賛成するのか自分の意見をまとめるという英作問題です。
解き方
構成は以下の通りです。
- トピックについての背景とグラフについて
- 1つ目のパッセージの主張
- 2つ目のパッセージの主張
- 自分の意見(どちらの主張に賛成か)
1つ目の「グラフについて」は詳細を描写する必要はありません。特徴的な数値や傾向の記述のみで問題なしです。
次の「1つ目のパッセージの主張」では、ある人(Aさん)がその課題に対しての解決策を2つほど提示してくるので、その解決策をまとめてあげます。
「2つ目のパッセージの主張」でも同様、別の人(Bさん)が解決策を2つほど提示してくるので、まとめます。
最後に「Aさんの解決策が良いのか」「Bさんの解決策が良いのか」を文中で与えられている理由を引用しながら、自分の意見を書きます。
最後のパラグラフを書く前に、時間を取って、「どちらが良いのか」と「どの理由を用いるのか」の2点を考えてから書き始めるようにしましょう。
対策
ライティングではスペルミスや文法のミスも減点対象ですが、学習している全ての単語を覚えるとなると大変です。ライティングを練習していく中でスペルは覚えていきましょう。
ライティングはアウトプット量に依存して点数が伸びます。
スピーキング対策
Part1(受験者に関する質問)
- 受験者に関する質問:数問
- 解答に必要な力:瞬発力と発話力
- 答え方:質問に適切に答える
「今何をしているのか?」や「どこから来たのか?」などの受験者に関する一般的な質問です。
答え方
特に構える必要はありませんが、注意点としては一言返すだけで終わらないことです。
例えば
試験官:Where are you
from?「どこ出身ですか?」
受験者:I’m from Tokyo.「東京です」
ではなく
試験官:Where are you from?「どこ出身ですか?」
受験者:I’m from Shinjuku, Tokyo. Shinjuku has a busy shopping area and many restaurants. There is
also a park called Shinjuku Gyoen, which is rich in
nature.「東京の新宿です。新宿には繁華街や飲食店などが多くあります。また新宿御苑という公園もあり、自然も豊かです。」
このくらい話すようにしましょう。
対策
使用する語彙は簡単なもので大丈夫なので、できるだけ詳細に自分のことを話せるようにしましょう。
試験官に止められるまで話すんだくらいの気持ちでいきましょう。
Part2(試験官へのインタビュー)
- インタビュー:1つ
- 解答に必要な力:疑問文を作る力
- 答え方:カードに記載されている内容について試験官に質問する(時間があれば、さらに自分で考えて質問ができる)
試験官がスポーツ選手や先生というある仕事をしているという設定で、その試験官に対してインタビューしていくというTEAP特有の形式です。
答え方
30秒の準備時間で、カードに書いてある英文を疑問文に変換し、質問していきます。
その後、追加で質問をどれだけできるかがスピーキングのスコアに直結してくるので、以下の「追加質問例」を相槌まで丸暗記して、試験で聞けるようにしましょう。
追加質問例
- Why did you decide to be a(an) 〜?
- I hesitate to ask this question because it might be rude but… How much money do you earn?→That’s good!
- What do you think about your industry in the future?→Yeah, I’m on the same page. That’s interesting.
Please tell me in detail. - What do you think about the next step?→Wow, that’s nice. I hope it goes well.
- Do you prepare for that?
※相手の職種を問わず、使用できるように作成しています。
時間制限で追加質問が全て聞けなくても問題はありません。
最後に感謝を伝えるようにしておきましょう。
Thank you for participating in
this interview.
対策
カードに記載している内容を聞くための疑問文を作成しないといけないので、疑問文の作り方を復習しておきましょう。
あとは、練習あるのみです。
英語がスラスラ出てくる人の脳内で起こっていることを解説!
Part3(スピーチ)
- スピーチ:1分間
- 解答に必要な力:トピックに関する知識と発話力
- 答え方:まず自分の意見をいい、その後サポートのための理由や例を述べる
IELTS Speaking Part2に似た問題です。
与えられたトピックに関して自分の意見を話していきます。
内容としては社会的なものや教育に関することが多いです。
答え方
こちらも30秒の準備時間があるので、その間に「自分の立場」「理由」「例」を考えておきます。
主張→理由→例の順番で自分の意見を述べていきます。
1分間スピーチすることになるので、できるだけゆっくりはっきりと発音することを意識しましょう。また、理由と例も2つずつ考えられるとベストです。
対策
IELTS Spaeking Part2と同じ形式の問題ですので、YouTubeなどでIELTS
Speakingの模擬試験の動画から構成や話し方など確認しておくと良いです。
同じトピックでもいいので、毎日1題スピーチするようにしておきましょう。
その際、
・ChatGPTなどに文字起こしをさせ、後で文章を確認する。
・スマホなどで録音しておき、後で音声を確認する。
など、復習する習慣をつけておきましょう。
Part4(意見論述)
- 意見論述:数問
- 解答に必要な力:トピックに関する知識と発話力
- 答え方:まず自分の意見をいい、その後サポートのための理由や例を述べる
一般的な社会問題に関する質問が数問されます。
教育形に少し偏っているので、教育関連の話題をメインに練習すると良いでしょう。
ちなみに、結構馴染みのないトピックも多いので、幅広い背景知識も必要になります。
自分が受験した時は「学校の授業で宗教について教えた方が良いか?」という質問でした。
答え方
主張→理由→例の流れで自分の考えを述べます。
止められるまで話すんだという気持ちでできるだけ長く詳細に自分の意見を伝えましょう。
しかし、難しい単語や文法を使う必要はありません。できるだけ、シンプルに具体例を交えて答えましょう。
対策
日頃からディスカッションの練習をしているかと、そのトピックについての背景知識があるかが必要になってきます。
ネイティブキャンプなどのオンライン英会話を利用し、英語を話す環境作りをしていきましょう。
スピーキングできまづい沈黙を埋める “Filler”とは?
“Filler”を使いこなし、無言にならないように工夫しましょう。特にスピーキング試験では、”Filler”が適切に使えているかもスコアに影響します!自分の”Filler”を身につけましょう。
TEAPおすすめ教材
単語帳
通常の大学受験用の英単語帳もしくはTEAP用の単語帳が1冊あれば問題なしです。
英単語ターゲット1900
大学受験対策用の教材ですが、問題なくTEAPにも使用可能です!ページ構成が見やすいのがポイントです。
システム英単語<5訂版>
こちらも大学受験対策用の教材ですが、TEAP対策の1冊として使用できます!第5章の多義語はなかなか良きです!
大学入試合格のためのTEAP英単語ターゲット
TEAP専用の単語帳です!単語のレベル感としては、ターゲット1900やシス単と同じですが、TEAPに出やすい単語をまとめてくれているので安心感はありますね。
TEAPパート別対策
共通テスト(筆記)が70分で8.5割取れるようになったら、TEAP用の問題集で対策していきましょう!
TEAP全パート徹底トレーニング
全パートの練習問題と攻略法を詳しく知ることができます。WritingやSpeakingで使える表現もたくさん載っているので、TEAPを受ける人は必ずやっておきたい1冊です!
大学入試合格のためのTEAP技能別問題集(ライティング/スピーキング)
ライティングとスピーキングの練習問題が豊富な教材です。こちらも「TEAP全パート徹底トレーニング」と一緒に必ず演習してほしい参考書です!
大学入試合格のためのTEAP技能別問題集(リーディング/リスニング)
リーディングとリスニングの問題が試験1回分載っています。具体的な解き方と一緒に演習量を増やしたい人におすすめです。
TEAP実践問題集
主に2冊ありますが、赤い方のみで大丈夫です!
TEAP攻略問題集
2回分TEAP試験模試が載っています。難易度としては、本番と同じくらいなので、直前の確認や仕上げに使用してください。
大学入試合格のためのTEAP実践問題集
TEAP HPに掲載されている見本問題と「TEAP攻略問題集」の1回分が掲載されています。なので、両方解いた人は特に必要ありません。TEAP HPの見本問題の解説が欲しい人は購入を検討しても良いと思います。
まとめ
- 留学を意識した問題形式と傾向
- 英語ができる前提で情報処理能力を問われる
- 単語は大学受験レベルでOK
- 前提となる英語力は共通テスト(筆記)が70分で8.5割
- リスニングも共通テスト8.5割
- 対策の最初はHPの見本問題を解く(苦手分野の特定)
- ライティングとスピーキングで点数を稼ぐ
技能 | 形式 | 目標正答数 | 解答時間 |
---|---|---|---|
Reading | Part1 語彙・語法 | 16/20 | 8分 |
Part2A 図表の読み取り | 4/5 | 6分 | |
Part2B 掲示物・メールなどの読み取り | 4/5 | 5分 | |
Part2C 短文内容一致 | 7/10 | 14分 | |
Part3A 長文語句空所補充 | 6/8 | 9分 | |
Part3B 長文内容一致(図表あり) | 8/12 | 28分 | |
Listening | Part1A 会話文の内容一致 | 8/10 | – |
Part1B 短い説明の内容一致 | 8/10 | – | |
Part1C 説明文と図表の一致 | 5/5 | – | |
Part2A 長い説明の内容一致 | 7/9 | – | |
Part2B 長い説明の内容一致 | 12/16 | – | |
Writing | 英文要約 | – | 30分 |
意見論述 | – | 40分 |
※目標正答数・解答時間はスコア300を目指す場合の目安です。
TEAPリーディング・リスニングの難しさは異常です。
しかし、ライティングとスピーキングは点数が出やすいので、どこをどう伸ばしていくのかによってスコアが決まります。
現状と目標のギャップを分析し、必要な力をつけていきましょう!
めちゃめちゃ大変ですが、TEAP受験頑張ってください!
この記事が少しでもお役に立てていれば幸いです。
あなたの英語に関わるお悩みお聞かせてください!
TEAP対策についてもご相談お待ちしております!