【リスニング力向上不可避】学校では教えてくれない英語のリズムと音の変化

投稿日: 2024年4月5日
最終更新日: 2024年4月8日

リスニング音法

今は昔、センター試験のリスニングを聞く前に全てマークしていたくらい、英語のリスニングを諦めていました。英会話教室に通い音法を知り、英語リスニングが飛躍的に伸びました。そんな経験をあなたにもしてほしい一心でこの記事を書いています。

この記事ではリスニング力向上に必ず役にたつものを紹介しているので、最後まで読んでもらえれば嬉しいです!

  • 英語が速く聞こえる原因『機能語「弱形」』と『強勢拍リズム』
  • 英語の音変化『リンキング・リダクション・フラッピング』
  • リスニング力向上のための勉強法

内容語と機能語「弱形」

英単語には2種類あります。
『内容語(content word)』と『機能語(function word)』です。

POINT

    『内容語(content word)』

    明確に意味のある語で、文章の意味を理解するための語。
     名詞・動詞・形容詞・副詞など

    『機能語(function word)』

    文法的な役割を果たし、文構造や文法的な関係を示す語。
     接続詞・前置詞・冠詞・代名詞・助動詞・be動詞・人称代名詞など

そして『機能語(function word)』の発音には2つあります。
『強形(strong form)』と『弱形(weak
form)』です。

POINT

    『強形(strong form)』

    辞書に載っているはっきりと発音される形

    『弱形(weak form)』

    実際の発話で現れる形(特に人称代名詞の変化がすごい)

リスニング力向上においてこの4つの概念を理解しておくことが重要となります。
もう少し詳しく解説していきます。

たとえば、ここに
It’s hard for me to say I’m sorry.”
という一文があります。

ここでの内容語
“It’s hard for me to say I’m sorry.”
“hard” “say” “sorry”の3つであり、
機能語
It’s hard for me to say I’m sorry.”
“It’s” “for me to” “I’m”となります。

機能語には弱形があるので、特に真ん中の “for me to”の発音がキュッと短くなり/fɔ:r mi: tu:(フォー ミー トゥー)/
ではなく、それぞれ弱形となり/fə mi tə(ファ ミ トゥ)/という感じになります。
急に一部分だけ「弱く低く短く」発音されてしまいます。そして、どんどん音に置いていかれたり、何て言ったのか聞き取れずに混乱する原因となります。

ではなぜ、このように速く発音されてしまうのでしょう?
それは英語の音声リズムにあります。
英語のリズムは『強勢拍リズム』と呼ばれており、「内容語から次の内容語のアクセント間を等間隔で発音する」というものです。

これにより、一単語ずつ同じリズムではなく、語によって発音の長さが変わり、文章中にゆっくりなところと速いところが現れます。

“It’s hard for me to say I’m sorry.”
主語は少し置いておいて “hard for me to” “say I’m” “sorry”の3つが等間隔で読まれるため、 “for me to”がキュッと速く発音されてしまいます。

ちなみに、日本語は『モーラ拍リズム』といい、「それぞれのカナ文字を等間隔で発音」しています。

このリズムの違いを意識するだけでも、リスニングはもちろん、スピーキングの改善も望めます!

3つの音法

リスニング力向上には『機能語の弱形』と『強勢拍リズム』に加えて、あと3つ知っておかなければならないことがあります。それは、『リンキング(linking)』、『リダクション(reduction)』、『フラッピング(flapping)』と呼ばれる音の変化です。

POINT

    リンキング(linking)

     単語間で/子音/+/母音/となっている場合、ローマ字読み。

     例)I’m interested in history.
       I like her.

    リダクション(reduction)

     語尾が/p/ /t/ /k/ /b/ /d/ /g/+語頭が/子音/の場合、/p/ /t/ /k/ /b/ /d/ /g/はほぼ発音しない。

     例)I don’t know.
       I want to do it.

    フラッピング(flapping)

     ①単語中、単語間関係なく/母音/+/t/+/母音/の場合、または ② “t”の直前にアクセントがある場合、/t/は/d/または日本語のら行で発音。

     例)water
       a lot of
       little
       What are you doing?

上の例で一部「ん?」と思うものがあったと思います。
“I like her.”ですね。
まず “her”は強形(strong form)では /hɜr/ですが、弱形(weak form)では/h/が抜けてしまい/ɚ/となります。
“like”のスペルには最後にeが来ていますが、発音自体は/lɑɪk/と/k/で終わっているためリンキングを起こします。なので、カタカナで頑張って表すとすれば「アイライカー」となります。

では、少し長い文で確認してみましょう。
たとえば
To be, or not to be: that is the question.”
Hamlet, Act III, Scene I
これをあなたはどう発音するでしょう。

まず、リンキングが起こる場所はありませんね。 “not”のtが後ろにtという子音があるためリダクションを起こします。次に
“that”のtですね。母音に挟まれているのでフラッピングが起こり、/d/または日本語のら行に変わります。

“To be, or not to be: that is the question.”

次に
The course of true love never did run smooth.”
A Midsummer Night’s Dream, Act I,
Scene I

まず、”course of”が/子音/+/母音/となっているので、くっついて/ kɔrsəv/となります。次に”did”のdの後ろが/r/なので/d/が脱落しますね。

“The course of true love never did run smooth.”

これらの音の変化を理解するには 「アナと雪の女王」の主題歌“Let it go”を英語で歌ってみるのがオススメです。

PRACTICE

  1. 英文の歌詞を用意する。
  2. 歌詞にリンキング・リダクション・フラッピングを記入していく。
  3. 自分の書き込みと実際の発音を比較し、修正する。
  4. たくさん聞いて、音を真似て歌えるようにする。

“Let it go”を聴いてみると『リンキング』と『リダクション』両方ともの条件に当てはまる箇所があると思います。そこは発音しやすい方やリズムがいい方を優先させて、大丈夫です。

「英語ってたくさん音が変化するんだな」と驚いたそこのあなた!
日本語も意外と音が変化しているものです。
例えば「暖かいね」を日常会話で「あたたかいね」と発音することは少ないと思います。実際は「あったかいね」と発音していませんか?「あたたかい」は発音しにくいので、音がちょっと変わるのです。英語でも同じようなことがたくさん起こっている感じですね。

ちょっと特殊なyouとnt

母音同士、子音同士のリンキングというものもあるのですが、ここではリスニングでよく出会う “you”についてのリンキングを解説します。

POINT

  • /t/+you/juː/=/tjuː/ I want you.
  • /d/+you/juː/=/djuː/ I need you.
  • /v/+you/juː/=/vjuː/ I love you.
  • 他の子音ともリンキングを起こすので、”you”は注意しましょう。

もう一つ知っておいて欲しいのは『NT縮約』です。
代表的なものでいうと “twenty”です。「トゥエニー」って発音聞いたことないですか?/t/は発音しないのです。
他には “Internet”の発音が/ˈɪn tərˌnɛt/が/ˈɪn
ərˌnɛt/という形で、こちらも/t/を抜いて発音します。カタカナで書くと「イナーネッ」って感じですね。
同様に”international”も/ˌɪntərˈnæʃənl/が/ˌɪnərˈnæʃənl/と発音されます。
あまり多くないので、個別に発音を確認して覚えていきましょう。

リスニング力をあげるためにすること

リスニングができるようになるまでには2つの段階があります。

POINT

    段階1:音声知覚

    段階2:意味理解

段階1は英語の音が聞こえている状態。
これはこの記事で解説してきた音の変化に慣れている+英語の発音が区別できいる状態です。

または、洋楽を聴いて歌えるように練習していくのが良いです。洋楽で音声になれる際は歌詞の理解は置いておいてリズムや音の変化に意識を向けていきましょう。

自分が発音できるものは聞くことができる」ので、洋楽練習はおすすめです。

段階2は英文の意味が理解できいる状態です。
こちらはさらに「誰がどこで何を話しているのか」の大まかな流れの把握詳細の理解の2段階に分かれます。

自分の語彙力や長文読解能力に合わせて級は選んでください。級が上がれば難易度もあがるため、少しずつステップを踏んでいけます。「英語の友」というアプリで音声が聞ける+再生速度も変更できるのでおすすめです。

HOW TO

  1. 繰り返し聞く(大枠の流れが捉えられるまで)
  2. 限界まで聞いたら、本文を読んで内容を確認する
  3. 音の変化等に注意して聞き、書き込む
  4. 音読する
  5. 音声と同時に声に出して読む(オーバーラッピング)

公式ラインにてリスニング問題集を配布しています。
是非、チェックしてみてください!

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キーワード『リスニング101

Steve Jobsのスピーチで確認しよう(冒頭)

まずは白文でどこに、『リンキング(linking)』、『リダクション(reduction)』、『フラッピング(flapping)』が現れるか書き込んでみましょう。

I’m honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told I never graduated from college and this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.

The first story is about connecting the dots. I dropped out of Reed College after the first 6 months, but then stayed around as a drop-in for another 18 months or so before I really quit. So why did I drop out? It started before I was born. My biological mother was a young, unwed graduate student, and she decided to put me up for adoption. She felt very strongly that I should be adopted by college graduates, so everything was all set for me to be adopted at birth by a lawyer and his wife. Except that when I popped out they decided at the last minute that they really wanted a girl. So my parents, who were on a waiting list, got a call in the middle of the night asking: “We’ve got an unexpected baby boy; do you want him?” They said: “Of course.” My biological mother found out later that my mother had never graduated from college and that my father had never graduated from high school. She refused to sign the final adoption papers. She only relented a few months later when my parents promised that I would go to college.
This was the start in my life.

以下の模範解答と見比べて、実際にスピーチを聞いてみよう!

リンク:スティーブジョブズ 2005スタンフォード大学卒業式演説

I’m honored to be with you today for your commencement from one of the finest universities in the world. Truth be told, I never graduated from college and this is the closest I’ve ever gotten to a college graduation. Today I want to tell you three stories from my life. That’s it. No big deal. Just three stories.

The first story is about connecting the dots. I dropped out of Reed College after the first 6 months, but then stayed around as a drop-in for another 18 months or so before I really quit. So why did I drop out? It started before I was born. My biological mother was a young, unwed graduate student, and she decided to put me up for adoption. She felt very strongly that I should be adopted by college graduates, so everything was all set for me to be adopted at birth by a lawyer and his wife. Except that when I popped out they decided at the last minute that they really wanted a girl. So my parents, who were on a waiting list, got a call in the middle of the night asking: “We’ve got an unexpected baby boy; do you want him?” They said: “Of course.” My biological mother found out later that my mother had never graduated from college and that my father had never graduated from high school. She refused to sign the final adoption papers. She only relented a few months later when my parents promised that I would go to college.
This was the start in my life.

まとめ

POINT

  • 英単語は内容語と機能語に分類できる
  • 機能語の発音は強形と弱形の2種類
  • 弱形で発音することにより英語のリズム(強勢拍リズム)を形成している
  • リンキング・・・子音+母音=ローマ字読み
  • リダクション・・・/p/ /t/ /k/ /b/ /d/ /g/+/子音/=前の音が脱落
  • フラッピング・・・/母音/+/t/+/母音/の場合、または “t”の直前にアクセントがある場合、/t/は/d/または日本語のら行で発音される
  • リスニングができるようになるにはまずは「音声認識」、次に「意味理解」

もしかしたら他のサイトの方がもっと分かりやすく解説してるかもしれないので、どんどん調べて吸収してもらえればと思います!
特に機能語の弱形はたくさんあるので、確認しておいてくださいね。
ちょっとでも、英語のリスニングが得意になってもらえれば幸いです。分からないことがあれば公式ラインでもインスタグラムでもメッセージくれれば返信します!

英語学習頑張っていきましょう!